晴れた日は外で去勢

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晴れた日は、馬房の中より草の上で去勢するほうが気持ち良い。ウマも気持ち良い?
もちろんそれ以外に、草の上は馬房より意外と清潔というメリットもある。
キシラジン、ケタミンで倒馬。
当クリニックでは5.6年前からStone社のHenderson式鉗子を採用。

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ドリルに鉗子を装着し、ねじ切るだけ。手術は短時間。出血もほとんど無し。

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今回は起立でちょっと苦労。でも術後は一回も診察することなく、very good!

競走馬の喉の検査 無線式の内視鏡を使ってみた

P1170651競馬でのどがけっこう鳴るというウマ。安静時の内視鏡検査では左側の披裂軟骨の開きが若干悪いだけ。

とてものどが鳴るような感じではない。
手術の依頼馬だったので、無線式の内視鏡(dynamic endoscopy)を使って調教中ののどの開き具合を検査することにした。

P1170656無線式の内視鏡を装着したところ。

P1170653走行中はハロン20-20位でも披裂軟骨は内側に内転し、声帯が気道を塞いでいた。
Tie Backと併せて、声帯を除去した。

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左の披裂軟骨が内転し、声帯も大きく内転しているのが分かる。
多分競馬の時はもっと気道を塞いでいるだろう。

角膜潰瘍のウマ その後

角膜潰瘍のウマ その後

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約2週間、点眼キットで治療をしていたが良化しないので、結膜フラップをすることにした。結膜フラップは血流のない角膜を結膜で覆うことで、そこからの栄養を角膜にあたえて治癒を促進させる。

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今回は結膜全周を剥がし、覆うことにした。

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ACell Vetがあったので、だめ押しで結膜下に挿入。ACellは豚の膀胱を使った再生医療の膜。事故で無くなった指先を再生することで有名になった製品。米軍もこれを使って、兵士の手や足の再生の研究をしている。

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犬の眼用なので、ウマにはちょっと小さい。

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結膜を剥がしている最中。全周を剥がすのは、結構時間がかかる。

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ちょとえぐい?このまま3週間がまん。

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3週間後に結膜フラップを除去。それから2週間後。ACellのお陰か、結構表面はきれいに。なんとか摘出しないで済んだ。残念ながら、視力は回復しない。