重症の蹄にはギプス固定 part1

img_8472牧場で2才の競走馬が夜中に右後蹄にひどい外傷を負った。馬房のトタン板を突き破って引き抜いた時にやったらしい。馬房の壁やとびらにトタン板を使うのは危険だ。乗馬なども後ろ脚で蹴り破って、つなぎや腱をズタズタにすることがある。動脈を切れば、一晩で失血死。

外傷はあまりにもひどく、後ろ足なので、担当獣医師の依頼で全身麻酔で治療することにした。

外側の蹄球は蹄軟骨と共に中まで完全に切れていた。トレセンではちょっと見かけないほど重症。再び走れるようになるのか。

蹄球を引っ張ると、蹄底も蹄骨から剥がれてきた。ワラが中に入っていたので汚染が心配。時間をかけて中を洗浄と吸引を繰り返した。

蹄球を縫合。蹄球は絶対縫合しないと肉芽が大爆発する。蹄軟骨はくっ付く? 皮膚は全部縫合した。見た目は結構良さげです。うしろ側の蹄壁は薄いので、ワイヤー縫合はあきらめて専門家に依頼することにした。 蹄のひどい外傷は、ギプスで固定することで、きれいになおりやすい。割れた蹄壁からの感染予防と蹄球の早期の癒合が期待できる。セファロチンナトリウム10g を2回/日とゲンタマイシンを5日間投与した。