腸石が出た

13歳の乗馬。5日ほど前から疝痛だったらしい。
腸の動きは弱く、ボロもしていない。
HT44,HR54,乳酸値は1.3,TP6.8 。呼吸は荒い。でも具合はあまり悪そうではない。
直検をしてみると、驚いたことに指の先に固い物が・・・・。
どうやら、小結腸を通過して、直腸の入り口で腸石が詰まったらしい。オイルを飲ませると,翌朝1個出た。
再度直検してみる、また1個出現。もう一度オイルを飲ませる。また翌朝1個出る。
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けっこう大きい。良く、小結腸を通過したもんだ。腸石は扁平だと複数ある証拠。まだ、ありそうな感じ。

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3つ目でました。
最後が一番大きい!黒くて小さい石の周りも腸石の成分の色が付いている。
小さい石が核になって育つ証拠。
複数の大きい腸石があると腹の中で石がぶつかり合う音が聞こえることがあるらしい。一緒に歩いて聞いてみよう。

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1ヶ月前は、雪で真っ白だった浅間山。

バリカン君?

外傷の治療や手術でバリカンは必需品。THRIVEのバリカンは充電式で、良く切れるので重宝しているが、長い間使っていると突然切れなくなる。当たり前ですけど。
以前は刃をメーカーに送って研いでもらっていたが時間も費用もかかっていた。
最近みつけたのが、これ。ドロドロした緑色の液体を刃に塗って動かすだけ。
ちょっと怪しく値段も高かったが、使ってみたら良く切れる様になった。

素晴らしい!

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去勢は手術室で

 

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倒馬しての去勢は、覚醒のことを考えると手術室でやるのが圧倒的に楽である。
私たちは、キシラジン、ジアゼパム、ケタミンを使用している。
手術時間は数分なので、これらのコンビネーション 麻酔で十分な手術時間が確保できる。他に、トリプルドリップや高価なプロポフォールを使用する方法もあるが、どれも十分な鎮痛効果があるので、ウマにとってもあまり痛さは感じない。
一方、サクシンを使った方法もある。サクシンは筋弛緩剤のため、注射直後にウマは筋肉に力が入らなくなり立っていられなくなるため、あっという間に倒れてしまう。
この方法で去勢をすると、意識はあるがウマは動くことができない。
鎮痛作用は皆無なため、ウマはものすごく痛い。けれども動けない。非常に残酷な方法で、世界中でこの方法は禁止されている。
おまけに呼吸ができないため、酸欠でひどいチアノーゼになる。少しの量の違いで窒息死することもある。
作用は超短時間のため、手術後ウマはすぐに起立する。ミラクルのように見えるが、非常に残酷な方法である。今でも、やっているらしい!

以前TVで、特異体質で麻酔が効かない人が、意識があるなかで手術を受けたが、手術中筋弛緩剤を投与されていたので体は動かすことができず、手術中麻酔が効いていないことを眼だけでも伝えられずに体を切り刻まれていたという番組があった。
恐ろしい!ウマはそれと同じ状態。