繋靭帯炎の乗馬

午前中は家内の友人の乗馬の診療。以前から跛行していたという。肩が出ないので肩が悪いと診断されていたらしい。驚きです。                   跛行しているウマの原因は、前肢なら95%が腕節から下。後肢は飛節から下が大半。筋肉痛や肩が原因で跛行するウマはほとんどいないことをおぼえておきましょう。肩跛行、寛跛行という言葉は間違いのもと。右前肢跛行、右前跛行、左後肢跛行、左後跛行が良いですね。このウマは繋靭帯が、かなり腫れていて指動脈も抗進し蹄球に圧痛があるので、念のため蹄の診断麻酔。跛行は消失しないため、次に球節のフレクションテスト。跛行は悪化し、繋靭帯炎と診断。エコー検査では、繋靭帯の中央付近はかなり太く、損傷傾向の像。球節の内側の繋靭帯の脚も太く、一部靭帯の繊維も消失し種子骨の付着面もかなり痛んだ状態。半年から1年は休まないとだめ?最近買ったウマらしいのですが、日本でも、買う前に獣医検査を依頼する事が重要でしょう。

今週は創外固定の手術

管骨にピンを2本挿入し、キャストを巻き終了。

1ヶ月前に他所で螺子固定手術を受けた競走馬の左第1趾骨が休養中に突然ばらばらの複雑骨折になってしまいました。繋骨はほんのちょっとのタイミングでぐしゃぐしゃになってしまう事があるのですが、手術してから1ヶ月過ぎてこんなになるのはあまり聞いたことがありません。骨折はひどく、普通は安楽死の対象だったのですが、繁殖目的に救命手術を選択しました。最も心配なのが、ピンの周囲の化膿。なんとか40日間無事に過ぎれば、日本では初?。