ウマ用外傷スプレーの威力

欧米の馬関係の雑誌に良くあるのが、ひどいケガをした馬の写真と外傷に効果のある塗り薬の広告。
本当にそんなに効果があるのだろう

IMG_5677以前日本でも売っていたが輸入しなくなったマキシダーマスプレー。過剰な肉芽(バカ肉とも言うらしい)ができるのを防ぎ、外傷が早く治るので重宝していたが、売れ行きが悪かったらしく残念ながら輸入中止になってしまった。

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洗い場から裏の小川?に落っこちて、ひざ関節の近くをばっさり切った乗馬。パッと見はたいしたこと無さそうだが。

IMG_4505深く切れている。やばい!

IMG_4506中を縫い、垂直マットレスで開かないように縫い、ドレーンも入れたが・・・・・。

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中も結構汚染していて、足を曲げる度にぐちゃぐちゃになり、泡を吹き2度縫合し直してもまたまたぐちゃぐちゃに。
結局、全部抜糸。

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ありゃ、こんなになってしまった。こりゃだめだ。在庫のダーマスプレーを渡す。

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久しぶりにみたら、こんなに小さくなっていた。

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いつの間にか、こんなにきれいに!すごいぞダーマスプレー!

IMG_6128もう軽井沢プリンスのスキー場はオープンしていた。11/16.

 

 

 

FCRからDRへ

IMG_0061FCR:FUJI Computed Radiographyは2年前に30周年を迎えた。FUJI FILMは世界に先駆けコンピュータ処理により暗室を不要にしたレントゲン写真を発明した。
JRA では当時通常のアナログレントゲンではウマが動いて写真がぶれ鮮明なレントゲン写真がとれないという理由で,当時発売したばかりで人の病院に先駆けてFCRを導入した。右画面を使った画像処理で微細な骨折や骨膜が鮮明に映し出された。その当時、私の在職中、確かにJRAは世界で一番すばらしい馬のレントゲンを撮っていた。今は・・・・・・。
ありゃ!

1995年、世界で最も有名なウマの整形外科医Dr.ブラムリッジは美浦トレセンに外科手術のデモにやって来た。そこで手術に使ったFCRの革新的な画像、輪郭強調をしたレントゲン写真を見てたまげた。帰国後すぐに自分の病院にFCRを導入した。
アメリカでは以前からゼロックスが開発した超高画質のゼロラジオグラフィーがあったが、被曝量が少なく高画質のFCRを導入した。その後、FCR や他社のCRは世界の馬の病院に普及していった。

IMG_3984そんな革新的なFCRも時代の波には勝てず、最近はDR(Direct Radiography)にその座を譲ろうとしている。DRは撮影したその場で画像がパソコン画面に表示されるので往診先では非常に重宝する。最大の欠点 は日本のメーカーが野外での撮影、診断に無関心なことである。
野外で使用するにはあまりにもパソコン画像がお粗末だ。的確な画像処理をしたFCRに勝てるDRは今のところ一社だけ。それも高画質のHD仕様のノートパソコンを使った時だけである。日本の3社を含め他のは髪の毛のような細い線の骨折、Hair line fractureは残念ながら全く見えない。

IMG_5711ひたち海浜公園の コキア(ほうき草)。薄いピンクはコスモス。