繋靭帯炎の競走馬

跛行の原因の90%以上が下肢部だと言われているが、日本では非常識である。
獣医も調教師も助手も厩務員も肩や腰の筋肉が痛くなって跛行すると思っている。
残念ながら、これは日本だけの特殊なことである。お陰で、いつまでたっても日本では筋肉注射、鍼治療のオンパレード。その結果、分からないのでササバリ!

IMG_2212  今回もそんなウマが栗東から来た。3歳牝馬。栗東では跛行して肩が出ないということで、肩周囲にお決まりの筋注を受けてきた。
速歩では、筋注を受けた反対の足が跛行していた。繋靭帯の近位付着部周囲は明らかに圧痛と腫脹がある。こりゃ痛いでしょ!

IMG_2221エコー検査では、明らかにひどい繋靭帯炎がわかる。こんなにひどいと触るだけで分かるんですけどね・・・・・。長期休養。

ヘイゾウ 優勝おめでとう 内地では初。

ヘイゾウ号は昨年の10月、調教後小腸が陰嚢に入り込む陰嚢ヘルニアを発症。緊急オペをした。

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左手でつかんでいるのが回腸。押し込んでも入らないので、腹腔に手を入れて中から
引っ張ったが鼠径輪が小さく入らない。なんとか鼠径輪をメスでひろげて腹腔内に
引っ張り入れたが・・・・・。
IMG_1019回腸は結構色が変わっていたので、切除することにした。壊死した部分は絨毛がとろけていた。その後、無事に大井競馬場に帰厩し3走目の4月21日のレースで1着になった。北海道では開腹手術の症例が多いが、内地で腸管を切除した馬が優勝したのは多分初。ヤッター!!

本日のつくばー軽井沢ー安曇野

IMG_20822月25日の筑波山周辺。茨城は大雪のあとは大雨になり、もう雪は全く無い。

IMG_2058本庄市上空。上越新幹線と関越道が交差している。多少雪がある。IMG_2078軽井沢駅周辺。まだ雪が多く凍り付いている感じ。軽井沢の18号線の立ち往生は町の末端の道路を優先した結果、幹線道路の除雪遅れが原因らしい。

IMG_2062 浅間山と軽井沢の別荘地。ここもまだ、雪の中。

IMG_2060軽井沢の山はまるで雪国。

IMG_2065安曇野のわさび大王上空。周囲は50cm位の雪が残っている。

IMG_2068安曇野では雪がラチの上まで積もったらしい。これが全部溶けるのは、まだまだ先。

大雪の美浦トレセン

IMG_1888今回の大雪で美浦トレセンの厩舎もこんな状態になった。
大雪の中、H厩舎はルーチンの馬のチェックをしていた。さすがです。雪はこの後どんどん降り続いて、翌日の調教は前代未聞の夕方からになってしまった。

IMG_1887ぼろい診療車ではさすがに帰れないので、世界最強のワンボックス T5 4MORTIONを出動させた。これで怖いもの無し。
IMG_1893毎日の通勤路が別世界。スタッドレスで4駆、楽しい。

IMG_1897 ひたち野うしく駅前も雪だらけ。 別物の景色。IMG_1894この後、どんどん降って関東地方は大変なことになってしまった。

Dr. Nathaniel A. White II 来日

IMG_1306.JPG11月下旬、アメリカからホワイト先生が来た。日本には21年ぶり。前回は美浦トレセンで開腹術のデモをした。
当時ウマの開腹は大変だったので(もちろん今も大変)東大を含む日本中から見学者が来た。
デモの最中、腹腔にフィラリアを発見し手に取ったホワイト先生は、アメリカではアイバーメクチンをやっているので、もうフィラリアはいないねと笑っていた。しかし今日駆虫剤に耐性がある寄生虫の出現に世界中が困っている。
当時から世界の獣医学は進歩したが、寄生虫も進歩した。

IMG_1336.JPGホワイト先生は翌日静内へ。夜は牧場向けの疝痛の予防についての講演。超満員。
次の日は朝から獣医師向けの疝痛の術後管理についての講義を一日。タフですねー!

IMG_1362.JPGそして翌日東京に戻って、ウマ科学会でまたまた講演。
うちのクリニックもBlind Wolf Teeth(歯肉の中に隠れて見えないやせ歯)について演題発表。IMG_1359.JPG

東大での講演。
ホワイト先生お疲れさまでした。こっちも全部の講義と講演を聴くのは大変でした。

かいちゅうものにご用心

南関東所属の2歳馬。早朝から疝痛。担当の先生からの連絡で夕方に手術を受けに来た。心拍は80以上。Htは68、乳酸値は1.4。腸の蠕動は弱く、直腸検査、エコーで小腸ループを確認。

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胃カテーテルで胃からの逆流。この胃カテーテル持ってない先生が多すぎ。ホームセンターで3mのホースを買えば代用出来るんですけど。
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小腸は担当の先生が飲ました塩類下剤でパンパン。しかし・・・・。
空腸を握っていると、腸管の中に何かぎっしりとした物がある。腸管にわずかに透けてみえる白くて長い物は?

この先、見たくないひとは絶対ここまででやめましょう。
うにスパゲッティー。これはうまいんだけど・・・・。

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出ました!!!こんなの見たのは、1970年代の解剖以来。

 

IMG_0786.JPG洗面器一杯分の回虫。すごいね!2日前に虫下しをやったという。大量の回虫が弱って、小腸のなかで動けなくなり詰まったらしい。
最近は駆虫剤に耐性が出来、効きが悪くなっているが、虫下しはケチらないで多種類を定期的にやらなければダメですね。
しかし、しばらくは、もやし食えません!!

今年も社台カンファレンス2013へ行って来ました

IMG_0754.jpg今年も社台カンファレンスに参加するため苫小牧へ。発表は全部で37題。
”BLIND WOLF TEETHの存在と影響について ”と”第2趾骨粉砕骨折の乗馬の創外固定手術”の2題を発表した。
毎回、多方面の発表で参考になる事が多い。
関東でも臨床家が集まって症例検討会をしたらお互い勉強になると思うが、いかがなもんでしょうか。

DSC01263.JPGこれが、カンファレンス定番のお昼のトンカツ弁当。

 

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今年は参加者が多かった。この写真は夕方なので少し減ったところ。

IMG_0625.JPG帰りの千歳空港で食べた、みそラーメン。札幌の有名店が新規で開店したので食べてみたが・・・・・。
写真はうまそうな感じですね。

 

 

 

第2趾骨粉砕骨折のウマ

今回の創外固定手術のウマは翌日より順調に馬房内を歩いていた。
体温が安定しない事が少し気がかりではあった。
術後41日目のレントゲン写真で下のピンが折れているのを発見。
体重が重いのと、外で少しだけ歩様をみたのが原因だろう。
ピンを2本とも抜くにはまだ早かったので折れたピンだけ抜くことにした。

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ピンの周囲だけギプスを除去し抜いた。

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49日目にギプスをはずして、上のピンも抜く。
今回はピンが破損したのと、ピン周囲がわずかに感染していたため
骨折線がまだ目立っていたが、骨への更なる感染を心配して抜く事にした。
幸い、ピンの抜去後は自然に穴が塞がり骨折も次第に良くなって来た。
なんとか、足がバラバラにならずに、治った。まだ立っている時は足を浮かしているが、歩きだすとちゃんと着いているので時間の経過とともに良くなって行くだろう。

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ギプスをはずした直後。皮膚はぼろぼろで出血もあり、見た目はすごい。
皮膚は健康なので、包帯の交換で、どんどんきれいになった。

P1190407 360度絶景

コストコつくば発見

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本日のフライトでコストコつくばの建物を発見。(左上の四角い白い建物、奥が筑波山)
今月下旬に開店らしい。またまたつくば学園駅周辺は手前に見えるイーアスとあわせて、とんでもない渋滞が発生しそう。
N牧場のSさん、冷凍ピザを大量に買って食べない様!

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反対側から見ると、こんな感じ。手前の迷路の様な道路は宅地造成予定地かも?
茨城県は平坦なので、造成であっという間に森を無くしてしまう全国No.1の県。
トトロの呪い!!

いわきの馬の温泉50周年

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7月2日、競走馬総合研究所常磐支所、通称馬の温泉が50周年を迎えた。
私が勤めていたときが30周年の時だったので、あれからもう20年がたってしまった。
歳とる訳だ!

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超久しぶりのため、50周年記念会場のハワイアンへもナビがないとどこだかさっぱりわからず。

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ハワイアンの会場入り口。入り口の自動ドアが反応せず、ちょっとあせる。

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理事長の土川さんも、支所長だったので、自ら祝辞。

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前回は立食だったが、今回はテーブルで食事。まわりは歴代の支所長や競馬会OB.皆さん異常に元気!
次回は80周年とか。30年後!もう生きていないね、こっちは。

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フラダンスもあった。加藤支所長のスライドによる歴史紹介もあり。なかなか良かったですね。最近の人は発表が上手。

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後方に見えるオレンジの花が咲いている木が30周年で私が選んだ記念樹、ざくろ。
手前が今回の記念樹:ユズリハ??実がならないのが残念。

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地震でにごり湯が、透明になった。にごり湯党の私にはちょっと残念。当時は 社宅もにごり湯で毎日温泉三昧だった。
毎日、温泉の質を身をもって確かめるのも所長の重要?な仕事。