![P1120199.JPG P1120199](https://i1.wp.com/www.horseclinic.jp/wp-content/uploads/2012/12/P1120199.jpg?resize=584%2C438)
【この写真は別症例】
当クリニックでは,跛行診断で年間多数の診断麻酔をやっている。
さすがに後肢は少ない。
今回は再入厩時より左後の跛行が良くならず、
触診で異常が分からない競走馬に診断麻酔をすることにした。
![P1120640.JPG P1120640](https://i0.wp.com/www.horseclinic.jp/wp-content/uploads/2012/12/P1120640.jpg?resize=584%2C389)
【本症例とは別のウマの神経ブロック】
競走馬の場合、跛行の原因のほとんどは、
前肢なら腕節以下、後肢なら飛節以下とされている。
これは世界の常識であるが、掟破りのウマ獣医は多い。特に日本では!
このウマは、触診、レントゲン検査では、どこも異常は無い。
最初に飛節の遠位の関節(足根中足関節)を麻酔するも跛行は変わらず。
次に外側踵神経をブロック。変わらず。
翌日、脛骨神経、腓骨神経をブロック。
速歩で跛行が半減する。これで、跛行の原因箇所が飛節以下とわかる。
検査3日目。
トレセンから牧場に出す前に原因を知りたいと、
調教師の強い依頼で飛節の残り2カ所に関節麻酔。
足根間関節でやっと跛行が80%近く消失。
![P1150999.JPG P1150999](https://i2.wp.com/www.horseclinic.jp/wp-content/uploads/2013/01/P1150999.jpg?resize=584%2C388)
今回の症例は、調教師の強い希望で最後まで検査をすることができ、
原因箇所が特定できた。
跛行診断で診断麻酔を厩舎で実施する時は、原因をはっきりさせ、治療をし、
しっかり直してレースに使うという調教師の気持ちがないと、
時間をかけた診断、検査は出来ない。
難解な検査が獣医師のスキルアップにもつながる。
○○調教師ありがとう! 最後まで検査ができました。