画像診断はきれいな画像で診断することが基本だ。当たり前だが・・・。
レントゲン診断では正しい角度、そして、現在ではデジタル化しているので、きれいな画像を得るには十分な線量、そして適切な画像処理が必要だ。これがほとんどの獣医師が残念ながら間違っている。というか全く知らない。
話題のDR(Direct Radiography)も国産メーカー各社から出ているが、付属のパソコンと画像処理がひどくて、野外では、ほとんど使い物にならない。ここ数年何度もメーカーに言っているが、あほんだらの日本の会社は改善しようとしない。
日本のフラットパネルはOEMで海外で数多く使用されている。あちらではパソコンと画像処理がちゃんとしているので、野外の診断に耐える画像を提供している。
日本のDRはガラパゴスDRだ。
富士のDRだってアメリカじゃ画面も大きいし、こんなにきれい。とほほ!!
さて、今回いつものように、きれいなレントゲンを撮ったら、見落としてしまいそうな骨折がわかった。
2週間前からの跛行が悪化して関節液がパンパンになり歩けなくなった競走馬。
FCRの右画面の強調処理でフィルムで出力するのが、今でも最強の画質になる。フィルムはすごい!
ぱっと見異常はないが、よく見れば関節面がわずかにはがれている。これは痛い!
球節をちょっとでも曲げると飛び上がるほど。速歩はほとんどだめ。
同じウマの写真。きれいな真横でないと骨折は分からない。
掌側関節面を強調した正面からの撮影でも、はがれているのを確認。こりゃ痛いね。
角度が合わないと写らない。
この症例は、このままでは、跛行が続いてしまう。剥離した骨片を取りたいが、関節鏡や関節切開を検討したが、球節を前から攻めても後ろからやっても、ちょっと届きそうもない。どなたか名案は?