開業の先生がギプスの巻き方を習う機会は残念ながらほとんどない。巻く機会もそんなにないだろうし。そうそう教えてくれる人もいないし。私がJRAの診療所にいた頃は数え切れない数を巻いて失敗から学び、先輩に教えてもらったり、後輩に教えたり誰でもそれなりに巻けるようになっていた。開業してから手術で来るウマ達には時々残念ギプスでやってくるウマが多い。教えてもらってないからしょうがないんですけど、ちょっと残念。
はずしていたら、なんか剥がれてバラバラになった不思議なギプス。
つなぎがバラバラで創外固定の手術に来たウマ。まるで長靴を履いた猫?違った!ウマだった。ぶかぶか。こんなの初めて見たぞ!
足がバラバラになって、粘土を塗ってその上からぶかぶかギプスを巻いたのでギプスの上からゴミやワラが入り放題。開けてびっくり!これから整形外科手術をするんだけど。綺麗にして消毒するのが大変だった。
これも創外固定の目的で、関西から来たウマ。巻きにくい、うしろ足でヒールも付けて頑張ってくれたのですが、あっけなく真横に折れていた。
折れる原因のほとんどは、平行に巻いているから。特に球節周囲はクロスして巻かないと折れてしまう。1本目は上から下まで半分くらいは重なるように巻くが、2本目からは全体をクロスするように巻く。ギプスは基本的に引っ張りながら、ゆるくならないように巻く。一番重要なのは下巻き。切れる寸前まで、引っ張りながら巻かないとゆるんだぶかぶかのギプスになる。下巻きの上にさらに包帯をきつ目に巻けばほぼゆるまず巻ける。でも、包帯の上にじかにギプスを巻くと今度は外す時くっついて大変。包帯の上に薄く下巻きを巻きましょう。