診断麻酔の順序

2歳の競走馬が右の第3中手骨を骨折した。

P1260001この位の骨折だと日本では相変わらず手術をしないでギプス固定を選択する例が後を絶たない。手術費用を惜しんで手術を選択しない気持ちは理解できない事も無いが・・・。

P1260002結果的に2ヶ月後、ほぼ骨折は治っている。もちろん軽い運動も可能。保存療法では6ヶ月は経過しないと完全にはくっ付かないだろう。途中、骨折線が更に開けば休養期間は延長。手術をすれば預託料も軽減できるし、レースの復帰も早い。獣医師にもあまり理解されていないような・・・・。

注:下の螺子は短いのを選んで入れています。

DSC041533ヶ月後、運動を開始。球節の外側が少し温かかったが、調教を開始した。

DSC04157調教を始めたら、右前が跛行した。明らかに手術をした右前。レントゲン写真をみても、螺子の長さをふくめ痛そうな感じないですけど!
しかし球節の屈曲試験で跛行増悪。やっぱりピンが痛い?そこで、診断麻酔を球節から始めてしまった。跛行は改善しなかった。
蹄鉗子の反応はほとんどなかったが、とりあえず次に蹄球の直上で神経をブロック。

DSC04155麻酔は良く効いている。ボールペンで刺激しても反応無し。

速歩では跛行が消失した。球節の屈曲痛も消失していた。???
球節の麻酔から、少し時間がたっていたので関節内の麻酔薬が関節周囲に浸潤して、靭帯や神経が麻酔されて跛行が消失したのか、それとも単純に蹄が痛いのが神経ブロックでなくなったのかが分からなくなってしまった。
関節の麻酔は、そこが独立しているので、ほかの組織や神経に影響が無い様に思えるが、時間の経過とともに周囲に麻酔薬は染みて行く。関節の麻酔をして30分も40分もたってから歩様を診るのは診断を間違えてしまうかもしれない。
今回は10分くらい。
幸い、この症例は、蹄鉄を装着したところ、翌日から無事に調教を続ける事ができた。はだしで痛かったのね。
もし、装蹄をしても跛行が消失しなければ、螺子を抜くつもりだったので一安心。

IMG_2961 旭川では有名なジンギスカンの店、大黒屋。肉は美味かったけどタレがちょっとね・・・。リンゴのすりおろしが入ってないとダメだね。

IMG_2965すごい煙。夕方の5時を過ぎたら、あっという間に満席でした。

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