エンパイアメーカーとシカゴ

エンパイアメーカーがアメリカに帰ることになり、昨年秋、付き添いでシカゴまで同行した。IMG_5751成田に駐機していた貨物機は旅客用を引退したジャンボ機だった。
ふだん私たちが目にしない機体。全ての席を取り払い全部が貨物室。
人間の席は2階にあった元ファーストクラスの一部。革のシートは結構くたびれていが、さすがに広い。でも今のフルフラットになるシートと比べると時代を感じる。

IMG_5767エンパイヤーメーカーは1階のコンテナの中。飛行中ほとんど身動きがとれないほど狭いのに、すごくおとなしく乾草を食べていた。こりゃ安心。

IMG_5770こちらは人間様の食事。同行の航空会社の人が温めてくれました。トマト味のシチュー。けっこう美味。パイロットは自分で温めていた。

DSC05405一度アンカレッジに着陸し米国の入国審査をしてから最終地のシカゴに向かった。

DSC05413 窓の外は雪だらけ。寒そう!

IMG_6929今週は新型でフライト。車だったら、新型はノイズも振動も低下するけど、何も変わらず。でも機首にレーダー、赤外線カメラがついてるんだって。
IMG_69392016.3.22.
圏央道の古河インター。つくば方面はいまださっぱり出来ていない。
これが完成すれば東名、中央道にすぐ行けるんだけど。早く作ってくれー!!
IMG_6942 東北新幹線と富士山。

 

 

 

ウマの粉砕骨折は救命できるか?

馬の粉砕骨折は珍しいことではない。速く走っても、障害を飛んでも、ロンジングをしても、ただ常歩であるくだけでも、つなぎの骨はバラバラになる。
今までは安楽死を選択するしかなかった。
当クリニックでは、日本ではじめて2頭の粉砕骨折の重傷馬を創外固定手術によって救命し無事に歩けるようになった。
創外固定手術は骨折した部位より近位の骨に挿入したピンをギプスに貫通させ、ピンとギプスで骨折部位を浮かせて治療する方法だ。欧米では以前から行われていた手術法であるが、挿入したピン周囲の感染のコントロールが難しい。

P1150570

1頭目は第1趾骨々折の手術を受けて1ヶ月後、休養中に突然粉砕骨折になってしまった競走馬。第1趾骨の遠位(下の方)はグシャグシャ。

P1150571横からの写真では螺子を中心に新たに骨折したこともわかる。上下の関節を支える骨がないので、ギプスの固定も難しい。このままでは安楽死の対象。
P1150577管骨にSecuros社製の創外固定用ピンを2本挿入し、ギプスに連結した。骨折部位を浮かすことで無事に2ヶ月後、粉砕骨折は治癒。跛行もせず、無事に繁殖のため北海道に旅たった。

P11808592頭目は第2趾骨の粉砕骨折の乗馬。 500kgを超える重さで途中ピンが1本折れたが、無事に骨折は治り 心配していた跛行もほとんどなく、乗馬に復帰した。

IMG_5162 現在は3頭目の手術を終えた。今回は悪条件がいろいろ重なった。障害を飛んで発症した骨折は前足の第1指骨。まさに粉砕骨折。体重も 600kg近い。おまけに発症からこちらに来るまで3週間経過。(もっと早く来て!!!)
ギプスの中で骨折した指骨は体重で上から圧縮され重なって短くなっていた。
麻酔からの覚醒時に重い体重で内側のピンが2本とも曲がってしまった。

IMG_5161ピンを抜き103日目の写真。こんなぐちゃぐちゃの粉砕骨折も創外手術で治すことができた。
IMG_5684たった半年で、ぐちゃぐちゃだった骨もくっついた。まだ速歩は怖いけど常歩は平気。素晴らしい!

IMG_6488 デルタ航空に乗ったら、スタバのコーヒーがでた。紙コップがなんだか厚いのでばらして見ると
IMG_6489二重になって、中に空気層があった。構造的には素晴らしいが紙がむだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

ウマ用外傷スプレーの威力

欧米の馬関係の雑誌に良くあるのが、ひどいケガをした馬の写真と外傷に効果のある塗り薬の広告。
本当にそんなに効果があるのだろう

IMG_5677以前日本でも売っていたが輸入しなくなったマキシダーマスプレー。過剰な肉芽(バカ肉とも言うらしい)ができるのを防ぎ、外傷が早く治るので重宝していたが、売れ行きが悪かったらしく残念ながら輸入中止になってしまった。

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洗い場から裏の小川?に落っこちて、ひざ関節の近くをばっさり切った乗馬。パッと見はたいしたこと無さそうだが。

IMG_4505深く切れている。やばい!

IMG_4506中を縫い、垂直マットレスで開かないように縫い、ドレーンも入れたが・・・・・。

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中も結構汚染していて、足を曲げる度にぐちゃぐちゃになり、泡を吹き2度縫合し直してもまたまたぐちゃぐちゃに。
結局、全部抜糸。

IMG_46516/20。
ありゃ、こんなになってしまった。こりゃだめだ。在庫のダーマスプレーを渡す。

IMG_51418/7。
久しぶりにみたら、こんなに小さくなっていた。

IMG_53909/3。
いつの間にか、こんなにきれいに!すごいぞダーマスプレー!

IMG_6128もう軽井沢プリンスのスキー場はオープンしていた。11/16.

 

 

 

FCRからDRへ

IMG_0061FCR:FUJI Computed Radiographyは2年前に30周年を迎えた。FUJI FILMは世界に先駆けコンピュータ処理により暗室を不要にしたレントゲン写真を発明した。
JRA では当時通常のアナログレントゲンではウマが動いて写真がぶれ鮮明なレントゲン写真がとれないという理由で,当時発売したばかりで人の病院に先駆けてFCRを導入した。右画面を使った画像処理で微細な骨折や骨膜が鮮明に映し出された。その当時、私の在職中、確かにJRAは世界で一番すばらしい馬のレントゲンを撮っていた。今は・・・・・・。
ありゃ!

1995年、世界で最も有名なウマの整形外科医Dr.ブラムリッジは美浦トレセンに外科手術のデモにやって来た。そこで手術に使ったFCRの革新的な画像、輪郭強調をしたレントゲン写真を見てたまげた。帰国後すぐに自分の病院にFCRを導入した。
アメリカでは以前からゼロックスが開発した超高画質のゼロラジオグラフィーがあったが、被曝量が少なく高画質のFCRを導入した。その後、FCR や他社のCRは世界の馬の病院に普及していった。

IMG_3984そんな革新的なFCRも時代の波には勝てず、最近はDR(Direct Radiography)にその座を譲ろうとしている。DRは撮影したその場で画像がパソコン画面に表示されるので往診先では非常に重宝する。最大の欠点 は日本のメーカーが野外での撮影、診断に無関心なことである。
野外で使用するにはあまりにもパソコン画像がお粗末だ。的確な画像処理をしたFCRに勝てるDRは今のところ一社だけ。それも高画質のHD仕様のノートパソコンを使った時だけである。日本の3社を含め他のは髪の毛のような細い線の骨折、Hair line fractureは残念ながら全く見えない。

IMG_5711ひたち海浜公園の コキア(ほうき草)。薄いピンクはコスモス。

ナビキュラーって言われている乗馬

先日、ナビキュラーと診断を受けているが良くならないので見て欲しいいと連絡があった。房総半島にある乗馬クラブ。
蹄関節に消炎剤とヒアルロン酸を注射してもらったらしい。その時、関節液が多めに出たので炎症が強いとも言われた。レントゲンも撮ってもらったらしい。蹄には熱も無く指動脈もズキズキしていない。蹄にはパッドを入れてもらった。でもヒールアップはしていない。ナビキュラーと言われているのに・・・・。
駆け足で両前が伸びていかない。でも速歩では大丈夫らしい。蹄の診断麻酔はしていない。でも消炎剤とヒアルロン酸を蹄関節に入れてもらった。
なんだか適当に診断して適当に治療してもらっているような。

こんなことが結構多い。

治療を受ける側も確定診断を受けずに治療をしてもらうのはやめた方が良い。
皆さんお金持ちなんでしょうけどね。

IMG_4272せめて掌神経で蹄底をブロックして欲しいね。これだけで跛行が蹄かどうかわかるんですけど。もちろん蹄関節やナビキュラーへの麻酔も必要かもしれないが。

IMG_5508 美浦トレセン厩務員食堂のから揚げ定食。から揚げ多すぎ。左上の白いのは梨。

IMG_5509こっちは野菜いため定食。ほかにラーメン、日替りあり。
厩務員食堂は、誰でもたべられます。
午前中8:30〜13:00 午後 火曜〜日曜16:00〜19:00 月曜17:00〜19:00

跛行した乗馬2頭 その2(Bone Cystの乗馬)

前回の訪問から2ヶ月。手術の方法を検討していたが、休んでいるにもかかわらず跛行
が悪化してきた???
再度,球節に麻酔をしたらやはり跛行は完全に消失した。

IMG_5415レントゲンではbone cystが更にハッキリし、何故か大きくなっている。
こりゃ早く手術だね。

IMG_5408ということで結局螺子でCYSTを固定することにした。螺子による固定は、負重でCYST周囲の骨が不安定になっているのを螺子で押さえて安定化することらしい。うまく行けばCYSTも自然に埋まってくる。ほんと?

IMG_5354 なんとか大星雲のようなアメリカヤナギクラゲ。

IMG_5363涼しそうなミズクラゲ。
鴨川シーワールドにて。

下顎の骨折

乗馬の下顎が折れた。このクラブでは過去にも下顎の折れた経験が何度かある。
経験があるのに最初は歯が折れたと思い込み数日間そのまま放置していた。とほほ。

IMG_3761よく見れば歯ではなく顎が折れているのは分かりそうな物だけど???
IMG_4108数日たっていたので、折れた溝に血餅やエサなどいろいろな物が詰まっていた。
鋭匙でゴミを掻き取りきれいにした。前歯も一本消失していた。

IMG_3760今回はワイヤーを締めるのに秘密兵器を使ってみた。ホームセンターでゲット。

IMG_3758これのお陰でワイヤーを簡単に締めることができた。おー便利!
顎の骨折を治すには、ワイヤーが絶対ゆるまないようにきつく締めることがポイント。ぐらぐらしているようだとバツ。

IMG_4110こんな感じで捻ると簡単にワイヤーを締めることが出来る。
鉄筋工が使うやつ?名前?とにかく楽にワイヤーが締められた。

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最強の電気自動車、テスラに乗った。アクセルをちょっと踏むとロケットに乗ったことはないけどロケットの様な加速。BMW i3もリーフも吹っ飛ぶ。

ウマの意外と軽くなかった外傷

全身に皮膚病ができていた乗馬。痒くて壁に擦ったら、何かにひっかけて右肩を切ってしまった。

IMG_4294LINEで送られてきた写真は一見たいしたことがなさそうだった。

IMG_4296瞬間でくっつけたらと電話で話したが、良く見ると穴があいているというのでので見に行くことにした。
既に発症から時間がたちGolden Period (黄金の期間。細菌が繁殖する6から8時間内なら縫合しても安全といわれている)を大幅に過ぎていた。

IMG_4292穴は皮筋の下を通り20cm以上あった。このまま縫合すると液がたまり化膿するかもしれない。おまけに創の周囲は広範囲に気腫になっている。
遠位の皮膚を深さ8cmほど切開し、きずを貫通させた。

IMG_4301中を洗浄して上の皮膚は全て縫合した。ありゃ。大丈夫?
ドレーンを装着した。

IMG_4302ドレーンはプリマポアを貼って感染から保護。

IMG_4393縫合した周囲は皮膚病のあとできたないが、予想以上にうまくくっついた!
あとは抜糸するだけ。素晴らしい!!!

IMG_4960アンドラ公国のデパートで売っていたスパゲッティ?
どっかで見たような???

跛行した乗馬2頭

昨年の9月に北海道の競技で障害飛越後に右前の跛行をした14歳の乗馬。
以来跛行が治らないため数人の獣医師が診察。診断麻酔をし球節ではなく蹄と診断する獣医師,レントゲンをみて繋に骨膜があるのでショックウェーブをする獣医師。いろいろだ。十人十色?

IMG_4343  跛行はロンジングで円の外に足があると跛行が増悪した。当初繋靭帯炎を疑ったが球節にあらためて麻酔をすると跛行は消失した。あら意外と簡単。良かったね。
レントゲンを撮ると、驚いた事に第1指骨にbone cystがあった。めずらしい。

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写真では薄くて分かりにくいが正面からも横からも薄く黒い骨嚢胞が写っている。あぶなく見落とすところ。
関節にトリアムシノロンをいれたが、跛行は再発した。やはり手術が必要。
5.5mmのドリルで穴をあけて、内部を掻爬し再びトリアムシノロンをいれるか、それとも4.5mmの螺子でシストを固定するか、選択は悩ましい。
IMG_4355もう一頭のウマは騎乗中、突然左後肢がつけない様な跛行をするというので見に行った。最初はなかなか跛行しなかったが、突然確かにつけないほどになった。
触診しても反応は無かったが繋靭帯にわずかな痛みがあった。一応LOW4で麻酔をしてみた。なんと跛行消失。むむむ!
球節のレントゲンをとってみると・・・

IMG_4223あらびっくり!
第1趾骨に大きな骨片。まるいので以前からあった様だ。
最近、突然関節にひっかかる様になったのだろうか。
確定診断はここの関節に麻酔をすることだが、二度目の訪問では跛行しなかった。
確定診断が出来るまで手術は延期となった。

きれいなレントゲンを撮れば分かること

画像診断はきれいな画像で診断することが基本だ。当たり前だが・・・。
レントゲン診断では正しい角度、そして、現在ではデジタル化しているので、きれいな画像を得るには十分な線量、そして適切な画像処理が必要だ。これがほとんどの獣医師が残念ながら間違っている。というか全く知らない。

IMG_0064.JPG話題のDR(Direct Radiography)も国産メーカー各社から出ているが、付属のパソコンと画像処理がひどくて、野外では、ほとんど使い物にならない。ここ数年何度もメーカーに言っているが、あほんだらの日本の会社は改善しようとしない。
IMG_0066日本のフラットパネルはOEMで海外で数多く使用されている。あちらではパソコンと画像処理がちゃんとしているので、野外の診断に耐える画像を提供している。
日本のDRはガラパゴスDRだ。

IMG_1403富士のDRだってアメリカじゃ画面も大きいし、こんなにきれい。とほほ!!

IMG_4059 さて、今回いつものように、きれいなレントゲンを撮ったら、見落としてしまいそうな骨折がわかった。
2週間前からの跛行が悪化して関節液がパンパンになり歩けなくなった競走馬。
FCRの右画面の強調処理でフィルムで出力するのが、今でも最強の画質になる。フィルムはすごい!
ぱっと見異常はないが、よく見れば関節面がわずかにはがれている。これは痛い!
球節をちょっとでも曲げると飛び上がるほど。速歩はほとんどだめ。
IMG_4061同じウマの写真。きれいな真横でないと骨折は分からない。
IMG_4060掌側関節面を強調した正面からの撮影でも、はがれているのを確認。こりゃ痛いね。
IMG_4063角度が合わないと写らない。

この症例は、このままでは、跛行が続いてしまう。剥離した骨片を取りたいが、関節鏡や関節切開を検討したが、球節を前から攻めても後ろからやっても、ちょっと届きそうもない。どなたか名案は?

IMG_3883今年の日光は大雪。懐かしのウニモグ大活躍。